オーディオゲームセンターとは?

オーディオゲームとは、映像情報が欠かせないビデオゲームとは異なり、音からつくり、音で遊ぶゲームです。
音で構築されるこのゲームは、知覚や空間についての新たな認識をもたらすと同時に、わたしたちが日々どのように世界を聴いているのか、再発見する体験を生み出します。
足音で誰かが近づいてくることに気づく。声からその人の人柄や心情を思い浮かべる。声の響きで空間を想像する―音は、視覚から得られるイメージとは違う方法で、わたしたちの想像/創造を刺激します。そういった音から立ち上がる体験をゲームという形で生み出し、共有しようという活動が、オーディオゲームセンターです。
リアルな場でのゲームセンターの開催をはじめとし、さまざまなクリエイターと新しいゲームを開発するハッカソン「Prototyping Party」やオンライン配信、Podcastなど、さまざまなメディアや場を使って、音がつくる体験の可能性を探っていきます。

Audio Game Radio オーディオゲームラジオ

オーディオゲームラジオのロゴ。アルファベットで書かれたロゴの背景に青やオレンジでできた丸や三角などさまざまな形が重なり合う。

オーディオゲームセンターがお送りするこの番組は、音にまつわるゲストとともに、音から発想するつくり方や遊び方の可能性を掘り下げていくプログラムです。「インタラクティブな音の体験はオーディオゲームと通じるものがあるのでは?」という関心から、さまざまなゲストにお話を伺います。

これまで制作したゲーム

ゲーム001 <Screaming Strike(スクリーミング・ストライク)>

初級
達人

迫ってくる敵をひたすら殴って倒す…ルールはそれだけ!しかし、敵は画面に表示されず、音を出しながら迫ってくる。
敵の来る方向を音で聞き分け、やられる前にやっつけろ!3回やられたらゲームオーバー、何人の敵を倒せるかがスコアになる。無尽蔵に増える敵に、聴力だけで立ち向かえ!

ゲーム002 <モスキートが来る(モスクル)>

頭の周りを飛び回る蚊を、スプレーを使って撃退するゲームです。スプレーを噴射しながら、蚊の音が聞こえる方向に向かって動かすと、蚊を弱らせて退治することができます。
スプレーの中身がなくなるか、90秒が経過するとゲームオーバーです。何匹の蚊をやっつけられるでしょうか?

ディレクション、ゲームデザイン、プログラム:野澤幸男
チューニング、デバッグ:多田功一(猿楽庁) 小島尚也(猿楽庁) 横尾健一(猿楽庁)田端秀輝
協力:犬飼博士

スタッフ紹介

主催
DDD(Disability Driven Design)Project

企画・実施
デザイナー、研究者、プログラマー、キュレーターなど多彩な専門分野で活動するメンバーやコラボレーターから成る協働プロジェクト。人間の知覚を用いた新しいコミュニケーション手法の開発を目指し、2016年より活動を始める。

メンバー:岡田憲一、筧康明、加藤秀幸、田中みゆき、野澤幸男、和田夏実
ゲーム監修:犬飼博士

岡田 憲一 インタラクションデザイナー

1980年生まれ兵庫県出身。関東学院大学工学部建築学科を卒業後、渡英。2008年英国王立芸術学院(RCA)、デザインインタラクションズ科修士課程を修了。同年ソニーに入社し、ミラノサローネなどの空間演出や様々な製品のコンセプトデザインを手がけた。
2013年より合同会社LENSを設立。デジタルを媒体としつつアナログの手法を取り入れた作品を制作し国内外の展覧会で作品を多数出展。
主な展覧会に、「単位展」(21_21 DESIGN SIGHT、2015)「Talk to Me」(ニューヨーク近代美術館(MoMA)、2011)など。
2014年文化庁メディア芸術祭にて作品“Giraffe’s Eye”が審査委員会推薦作に選出された。

筧 康明 テクニカルディレクター

2007年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。科学技術振興機構さきがけ研究員、慶應義塾大学環境情報学部専任講師、同学部准教授を経て、2018年4月より東京大学大学院情報学環准教授。
これまでに株式会社プラプラックス取締役、MIT Media Lab Visiting Associate Professor、大阪芸術大学アートサイエンス学科客員教授などを務め、2016および2017年にはWorld Economic Forum Young Scientistsにも選出。主な受賞にACM CHI2017 Best Paper Award、ACM UIST2017 Honorable Mention、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、2012年度グッドデザインBest100、2005年度東京大学総長賞など。

加藤 秀幸 システムエンジニア

1975年東京都生まれ、東京都在住。先天性全盲。肩書きはシステムエンジニア、ミュージシャン(E-bass guitar)、バンド「celcle」所属。
時々ちょっとだけ作曲。映画『インナーヴィジョン』『ナイトクルージング』出演。インターナショナルスクール特別非常勤講師。
好きなことは、料理、ものづくり、頭が痛くなるほど細かい作業(プラモ作成など)。

田中 みゆき プロデューサー

1980年生まれ。アートセンターなどにて展覧会や公演などの企画に携わったのち、フリーランス。
障害を「世界を新しく捉え直す視点」としてカテゴリーにとらわれないアプローチを展開する。近年の活動に『義足のファッションショー』(2014年、日本科学未来館)、『dialogue without vision』(2016年、国際交流基金)、『大いなる日常』展(2017年、NO-MA)、『音で観るダンスのワークインプログレス』(2017年〜、KAAT神奈川芸術劇場)など。プロデューサーとして携わる映画『ナイトクルージング』が2019年公開。
http://miyukitanaka.com/

野澤 幸男 ゲームプログラマー

筑波大学附属視覚特別支援学校高等部、慶應義塾大学環境情報学部卒業。3歳の時にすべての視力を失う。小学生の頃からコンピュータに強い興味を持ち、独学でプログラミングを習得、視覚障害者向けのアプリケーション開発を始める。現在までに、40以上の作品に着手し、ホームページにて配布する。
野澤の過去作がダウンロードできるウェブサイト「にゃんちゃんの家」
https://www.nyanchangames.com/

和田 夏実 リサーチャー

1993年生まれ。手話を第一言語として育ち、大学進学時にあらためて手で表現することの可能性に惹かれる。現在は慶應義塾大学大学院で視覚身体言語の研究を行ないながら、さまざまな身体性をもつ方々と協働して、それぞれの感覚を共に模索するプロジェクトを進めている。
2016年度未踏IT人材発掘・育成事業「スーパークリエータ」認定。

犬飼 博士 ゲーム監修

1970年愛知県生まれ。映画監督・山本政志に師事したのちゲーム監督に転身。人と人がつながるコミュニケーションツールとしてのビデオゲームにこだわり対戦型ゲームだけを制作。コンピュターゲームのオリンピックとも言えるWCGやCPLの日本予選を主催し世界大会に参加。近年はIT(ゲーム)とスポーツの間に生まれた情報社会のスポーツ「eスポーツ」や、空間情報科学をテーマとした展示「アナグラのうた消えた博士と残された装置」(2011年、日本科学未来館)など、小さなビデオ画面だけに収まらないフィジカルな作品を制作している。

アートディレクション・ロゴデザイン:いすたえこ
ウェブサイト構築:HAUS
ロゴモーション作成:宮本拓馬
サウンドロゴ 作曲:イトケン
サウンドロゴ ボイス:細井美裕

活動歴

2017

2018

平成29年度 東京文化プログラム助成:
未来提案型プロジェクト支援

第22回文化庁メディア芸術祭
エンターテインメント部門
審査委員会推薦作品「Audio Game Center」入選

第17回アクサブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権 FINALラウンド出展

東京ゲームショウ2018 出展

AUDIO GAME CENTER展@スパイラル開催

2019

公益財団法人
中山隼雄科学技術文化財団 研究助成

令和元年度
メディア芸術クリエイター育成支援事業 採択

東京ゲームショウ2019 出展

DDDプロジェクト オーディオゲームセンター プロトタイピングパーティ Vol.1 / DDD Project Audio Game Center Prototyping Party Vol.1 レポート

プレス掲載

お問い合わせ

オーディオゲームセンターの活動に関するご質問やご取材は、以下のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
audiogamecenter@gmail.com